百人一首の歌に見る枕詞







百人一首の歌に出てくる枕詞は次の通りです。

●2番 持統天皇(じとうてんのう)
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山
はるすぎてなつきにけらししろたへのころもほすてふあまのかぐやま

枕詞: 白妙の → 衣
意味: 春が過ぎてもう夏が来たらしい。真っ白な衣を干すという天の香具山に。
付記: 万葉集の原歌 春過ぎて夏きたるらし白たへの衣干したり天の香具山

●3番 柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

枕詞: あしびきの → 山
意味: 山鳥の垂れ下がって長々と伸びた尾のような秋の夜長を、寂しく独り寝するのかなぁ
付記: 山鳥のつがいは夜になると谷を隔てて寝るという言い伝えを下敷きにしている

●4番 山部赤人(やまべのあかひと)
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
たごのうらにうちいでてみればしろたへのふじのたかねにゆきはふりつつ

枕詞: 白妙の → 雪
意味: 田子の浦に出かけて見ると、まっ白な富士の高嶺に雪は降り続いていることだ。
付記: 万葉集の原歌 田子の浦ゆうちい出て見れば真白にぞ富士のたかねに雪は降りける

●17番 在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
ちはやぶるかみよもきかずたつたがはからくれなゐにみづくくるとは

枕詞: ちはやぶる → 神
意味: 神代の昔にも聞いたことがない、竜田川が絞り染めのように紅葉で水を真っ赤に染め上げているとは。

●33番 紀友則
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ
ひさかたのひかりのどけきはるのひにしづこころなくはなのちるらむ

枕詞: ひさかたの → 光
意味: 日の光がのどかに降りそそぐ春の日に、なぜあわただしく桜の花は散ってしまうのだろう。

●39番 参議等(さんぎひとし)
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
あさぢふのをののしのはらしのぶれどあまりてなどかひとのこひしき

枕詞: 浅茅生の → 小野
意味: 浅茅が生えている篠原の「しの」のように忍んでいるけれど、耐えきれないくらいどうしてこれほどあの人が恋しいのだろう。
付記: 浅茅(あさぢ)は低くまばらに生えているちがやのこと。チガヤはすすきに似たイネ科の植物。
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